「デビルマン」CGパートこぼればなし第一回
みなさん、こんにちは。
映画「デビルマン」でCGパートのプロダクションマネージャーというお仕事をしております、田中と申します。
これからしばらくの間、映画「デビルマン」の、主にCGパートの舞台裏やこぼれ話などを書いていけたらと思います。
映画公開まであとわずか。待ちきれない皆さんに少しでも楽しんでいただけたらと思います。
さて、映画「デビルマン」では、CG(コンピュータ・グラフィックス)が重要な役割を担っています。
CG。ハリウッド製某恐竜映画で大きくフューチャーされたそれは、いまや映画、テレビ、CMをはじめ、あらゆる映像作品にとってなくてはならない表現手段になっています。でもCGって実際なんなんでしょ?
大画面をところ狭しと暴れまわる恐竜もCGならば、飛んできてピカーンと光るタイトルロゴもCG。でもそれだけがCGじゃないんです。
たとえば時代劇。カッカッカッと笑う黄○様の後ろを飛行機雲が、とか、暴れん坊な将軍様がお馬に乗って走る背後の森に電信柱が、とか現代の日本でロケをするといろんな余計なものが映ってしまいます。
それらを消すのもCGのお仕事。
より正確にはCGというよりこういうデジタル処理全般をデジタルエフェクトと呼びます。
要はコンピュータを使って映像を処理することを指します。
映画「デビルマン」ではこれらデジタルエフェクトを加えたカットが300カット以上あります。
映画全体が1300カット弱あるので、1/4近くのカットになんらかのデジタルエフェクトが加えられているという勘定になります。
「デビルマン」という現実には存在しないものを登場させるわけですから、どうしてもそれくらいのカット数にはなってしまいます。
「デビルマン」のCG制作は、なによりこの膨大なカット数との戦いでした。
なにしろ300カット以上もあるわけですから、1カットくらいデビルマンじゃなくてマジンガーが映ってても不思議じゃありません。←不思議です。
さて、映画「デビルマン」のCG制作は、まず主役のデビルマンをどのように作り上げるか、から始まりました。
人間と悪魔が合体した、2m以上もの巨人。
これはもうCGなしではありえないキャラクターです。
しかしこれまで日本映画で、3DCGによるキャラクターを主役にすえた作品はほとんどありませんでした。
この大きな課題に挑むにあたって、まず我々スタッフはゲームやアニメのデザイン画で有名な寺田克也氏にコンセプトデザインを依頼しました。
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原作をベースに、いかに現実の世界に登場してもリアルな存在感を持ったキャラクターになるか。また、なによりそれは悪魔の持つ恐ろしさと、人の持つ悲しさを感じさせるものでなくてはなりません。
寺田氏のデザインは我々スタッフを刺激するに充分な、素晴らしいものでした。
この、寺田氏のコンセプトデザインをもとに、漫画「AMON」を描かれている漫画家の衣谷遊氏にもっと詳細なデザインに詰めていただきました。
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衣谷氏のデザインも、寺田氏の意匠を具体化し、より立体化を意識した素晴らしいものでした。この衣谷氏のデザインをもとに、我々CGスタッフがデビルマンを3Dモデルに起こしていったのです。
衣谷氏のデザインでは、デビルマンは人間の肌色をした、より人間的なデザインでした。
しかし、それをCGにしたときに、肌の質感が問題になりました。
人間の肌というやつは実に微妙なもので、しかも誰もが毎日目の当たりにしているものなだけに、なかなかCGでは表現しずらいものなのです。
そこではたと思いついたのが、かつてのアニメ版「デビルマン」でした。あのデザインをもとに肌を緑色にして、さらに胸の部分に傷跡をつけました。
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この緑色の肌と傷跡とで、クリーチャーっぽさを演出し、デーモンの戦士たるアモンのイメージを強調してみたわけです。
こんなふうにしてできあがったデビルマンのモデルですが、実際には映画完成までにちょこちょことディテールアップしてたりしていて、映画制作の間にも進化を続けていたのでした。
その進化の最終形は、是非劇場の大スクリーンでご確認ください。
と、きれいに話がまとまったところで次回に続きます。
【 東映アニメ 田中将史 】
2004 08 31 [That's T-VISUAL] | 固定リンク
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