「デビルマン」CGパートこぼればなし最終回
さて、いよいよCGパートこぼればなしも最終回。皆さんもう劇場には足を運んでいただけたでしょうか?
これまでT-VISUALについて長々と説明して参りましたが、T-VISUALとは、要は東映の実写パワーと東映アニメーションのアニメーション技術の融合。
我々東映アニメーションCGチームは元来アニメ屋なので、CGカットに、セルアニメーションの技術が応用できないか、いろいろと模索しました。
その一例として、実際に人の手で作画したものをCGキャラクターのアニメーションに置き換えるということを試みました。
1)作画
まず手書きのアニメーターが動画用紙に原画を描きます。
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2)アニマティクス
次にCGアニメーターが原画を元にアニメーションのキーフレーム※をつくっていきます。
※動きの元にあるフレーム。キーフレーム同士をつないでいくことで物がアニメーションして見えるようになります。
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3)完成画像
質感をつけて、ライティングします。するとリアルなキャラクターが、セルアニメ的な誇張されたアクションをするという映像が出来上がります。
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近年、CGの世界ではモーションキャプチャーと言って、人が実際にアクションしたものをデータ化して、CGに置き換えるということがよく行われています。この利点としては、非常にリアルな動きが比較的手軽に再現できるのですが、反面、あまりにリアルすぎて動き本来の面白さが失われてしまう恐れがあります。
今回映画「デビルマン」では、あえてモーションキャプチャーを使わず、上記のような作画によるアニメーションをはじめ、基本的には人の手によるアニメーションでCGを制作しました。
手作業のアニメーションならではの微妙な間と誇張表現。アニメーション会社ならではのこだわりです。
まだまだ語りたい話題、伝えたい思いはあるのですが、ひとまずこれでCGパートこぼればなしは終了です。
ここまで私の拙い文章を読んでいただいた皆様、ありがとうございました。
次もまた、劇場のスクリーンでお目にかかれることを……。
【 東映アニメ 田中将史 】
2004 11 03 [That's T-VISUAL] | 固定リンク | トラックバック
「デビルマン」CGパートこぼればなし第六回
さて、ついに公開されました映画「デビルマン」。皆さんもう見ていただけでしょうか。
まだの方はこのブログで予習後、劇場へGO!
さて、原作「デビルマン」には、デーモンの攻撃によって疑心暗鬼になった人間たちが、互いに殺し合いをはじめ、ついには戦争に至るまでが描かれています。
今回の映画でもそれは外せない重要なポイントの一つでした。
それには戦争によって荒廃した世界の表現が必要になってきます。
クライマックス直前で、明が荒廃した地上をさまようシーンを例にとって説明しましょう。
1)撮影
オープンセットに、明が歩く場所の周囲だけ、ガレキ類を設置します。
ちょうど撮影所の裏が改装中で、うまい具合に広く荒廃した空間で撮影することができました。
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2)画面脇や奥の建物を消しこみ、空や教会を足して、さらに遠景にある建物をCGで配置します。
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ちなみにこのカット、実際にはカメラがクレーンアップしていきます。
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パースが変化していくのに合わせて上記の作業を行うので、実際はもっともっと大変な作業になります。
このように、背景を絵で描いたものをマット画といい、今回のように3D空間の中で動くマット画については3Dマット画と呼びます。
【 東映アニメ 田中将史 】
2004 10 12 [That's T-VISUAL] | 固定リンク | トラックバック
「デビルマン」CGパートこぼればなし第五回
今回、我々CGチームに課せられた難関は、CGによるキャラクターをいかに存在感を持って、リアルに描けるかということでした。
3DCGキャラクターが主役として登場する実写映画、これは日本映画界にあまり前例がありません。我々にとっても大きなチャレンジでした。
プリプロダクション段階から、いくつも実験を繰り返し、いろいろな工夫を凝らしているのですが、中でも効果的だったのが、CGキャラクターの目に実際の役者さんの目をはめこむことでした。
CGによる人型キャラクターの難しさの一つに、我々人間が、日ごろ見慣れている「顔」の再現があります。
近年はCGの世界でもリアルな動物は実現できるようになってきましたが、いまだリアルな人間というのは難しい段階にあります。それはなにより、我々人間が人を人として認識せしめている「顔」というものの表現の難しさによるものです。皮膚の微妙なたるみや皺、目のうるんだ感じ等等、人間の顔は非常に微妙な要素の集合体です。しかも我々が常日頃目にしているものなだけに、ごまかしは効きません。ここに人の表現の難しさがあります。
デビルマンやサタンといったキャラクターは人間ではありませんが、きわめて人に近いキャラクターです。
彼らに存在感を付与するにはどうすればいいか。そこで浮かんだのが、我々が日ごろ見慣れているパーツを使うということでした。
「目は口ほどにものをいう」とは良く言われますが、人間はまず相手の目を見てものを言います。相手の表情をうかがう時もまず目からです。
このように非常に人間的なパーツである目を、CGキャラクターにはめこむことで、キャラクターに存在感を持たせ、ひいては目の演技でキャラクターに芝居までさせられないだろうかと考えたわけです。
1)目の撮影
実際にデビルマンとサタンを演じる伊崎兄弟の目を撮影します。
伊崎兄弟には那須監督の指示で、実際にカットに応じた目の芝居をしてもらいました。
ここではサタン役の右典さんを例にとります。
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目のまわりにある黒い帯状のものはマーカーです。これを目印にしてまず顔の動きを止めて、取り出した目をCGキャラクターにはめ込みます。
2)CGキャラクターへのはめこみ
右典さんの芝居している目をCGキャラクターにはめ込みます。
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お二人とも那須監督の期待に見事に答え、デビルマンとサタンにぐっと存在感が持たせられたと思います。
【 東映アニメ 田中将史 】
2004 10 03 [That's T-VISUAL] | 固定リンク | トラックバック
「デビルマン」CGパートこぼればなし第四回
今回、デビルマンのキャラクターを描くにあたって苦心したのは、いかに実際の空間にデビルマンがいるように見せるかでした。
CGのキャラクターが実際の空間に立っている。皆さんも映画やCMで見たことがあると思いますが、それには裏でCGチームの隠れた苦労があるのです。
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たとえばこのカット。デビルマンが後姿から振り向くというカットですが、単に高精細モデルにリアルなテクスチャーを貼っただけではありません。
実はこれだけ多くの要素を重ねて、キャラクターに存在感を与えているのです。
1)ディヒューズ
そのキャラクターが持つ「色」を表現する素材です。
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2)スペキュラー
キャラクターの「光沢」を表現する素材です。
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3)シャドウ
文字通り、キャラクターの「影」になっているところを表現するためのマスク素材です。
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4)デプス
被写界深度のことです。一言で言うと「ピントの深さ」です。ピントのあっているところとあっていないところを表現するためのマスク素材です。
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5)フレネル
「カメラからの角度による反射特性の違い」を表現するマスク素材です。
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6)リフレクション
背景素材をもとに、キャラクターにあたる「周囲の環境の映りこみ」を表現する素材です。
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7)サブスキャッター
キャラクターにあたる「光線の伝達・拡散」を表現します。例えば半透明な物体や皮膚などの表現に有効です
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以上のように最低でも7要素を統合してデビルマンは作られています。
カットによってはもっと複雑に要素分解している場合もあります。
実写で撮影された空間に、本来そこに存在しないCGキャラクターを出現させる。
そのためにはこれだけのことが必要になります。
こうしてCGキャラクターに存在感とリアリティーを持たせていくのです。
【 東映アニメ 田中将史 】
2004 09 25 [That's T-VISUAL] | 固定リンク | トラックバック
「デビルマン」CGパートこぼればなし第三回
さて、ではT-VISUALがどのように制作されるか、その一端だけご紹介します。
我々東映アニメーションCGチームにとっては初の実写作品。実写チームと入念な打ち合わせをして撮影にのぞみました。
1)実際の人間を撮影
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まずはスタンドインの役者さんに合わせてアングルを決めます。
最終的にCGキャラクターに置き換わるのですが、まずは役者さんに芝居をしてもらって、カメラアングルと尺を決め込んでいきます。
このときの、役者さんとカメラの距離やレンズのミリ数などのカメラデータが後々CG制作の際に重要になってきますので、カメラマンさんからその辺の情報を聞いておきます。
2)空舞台を撮影
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その後、役者さんにどいてもらって、空舞台を撮ります。これにCGキャラクターを乗せていくわけです。
3)ミラーボールの撮影
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最後に白い玉と半球状のミラーボールを、CGキャラクターが立っていた位置で撮影します。
白い玉は光源の方向を示し、ミラーボールは周囲の環境を映しています。これらを後でCGキャラクターのテクスチャーに反映させて、よりリアルな質感にしていくのです。
本当は白い玉とミラーボールは別々に撮ります。(写真の状態だとミラーボールに白い玉が映りこんでしまうのでホントはNG)
ちなみに写ってるのは筆者です。てへ。
4)アニマティクスの制作
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CGでラフなアニメーションを作ります、これをアニマティクスと言います。
このとき、撮影時のカメラデータを元に、3D空間の中にCGキャラクターとカメラを配置して、コンピュータの中で実際に撮影された空間をおおまかに再現します。
キャラクターのアニメーションはこの状態で詰めていきます。
5)CGキャラクターの制作
キャラクターを高精細モデルに置き換えて、空舞台になじむようにライティングします。ここがCGチームが神経を使うところです。現実には存在しないキャラクターに存在感を与えるべく、3D空間の中でライティングして、背景の空間になじむようにしていきます。
まずデビルマンを作って……
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デーモンも作っていきます。
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6)エフェクト素材の足しこみ
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キャラクター以外のエフェクト要素も、キャラクターとは別に制作します。
このカットでは煙と、デーモンの足から飛び散る汁や肉片を別素材として制作しています。
7)合成
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最終的に出来上がったキャラクター、エフェクトを、空舞台に合成します。
一口に合成と言っても、単に素材を重ねるだけではなくて、それぞれの素材がなじむように、見えないところで細かな工夫をしています。
と、まあこのような工程を踏んで映画「デビルマン」のCGカットは作られています。
カットによってはもっと複雑なことをしている場合もありますが、基本はこんな感じです。
映画全体で300カット以上、こんなことをしているわけですので大変な時間と労力が必要でした。
我々CGスタッフも大変でしたが、こんな面倒な撮影を行ってくれた実写スタッフの苦労も並大抵のことではなかったと思います。
映画とは本当にたくさんの職人さんの努力によって創られているということが実感できた現場でした。
【 東映アニメ 田中将史 】
2004 09 17 [That's T-VISUAL] | 固定リンク | トラックバック
「デビルマン」CGパートこぼればなし第二回
映画「デビルマン」制作にあたっては実に長いプリプロダクション期間がとられました。
なにしろ単行本にして5巻におよぶ原作を、2時間の映画にまとめなくてはならないわけですから、監督はじめとするメインスタッフの方々も頭をひねられたことと思います。
その期間、我々CGスタッフは、一年近くという邦画としては異例の長さの実験期間をいただくことができました。
壮大なイマジネーションに満ちた原作をいかに映像化していくか。我々東映アニメーションCG部としても初の実写作品でもあり、いろいろとやりたいことは山積みでした。(もちろん、それに伴う困難も山積みだったわけですが)
●実写背景との合成テスト
実写映画ということで、当然のことながら撮影された実写の空間の中に、違和感なくCGキャラクターが存在することが前提となります。
しかしこれが意外と難しい。
モデルの細かさ、質感、ライティング、3D空間へのモデル配置、実写カメラのレンズとの整合性、などなど実写の持つ情報量にCGを近づけるためにいろいろな技術的課題をクリアーしなくてはいけませんでした。
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実写素材に合成されたデビルマン。あくまでテスト映像ですが、いろんなテクニックが凝縮されてます。
そのテクニックについてはまた回を追ってご説明します。
●3Dトラッキングテスト
映画とはその昔活動写真と呼ばれたように、動く写真であるわけですが、その動くものに対していかにCGをあわせていくか。それには動くものを3D空間の中で捉え、追跡し、そこにCGモデルを配置するという作業が必要になります。
まずはスタッフお手製の3Dマーカーでテスト。
3Dマーカーとは要するに縦・横・奥行きの情報が分かるように目印を立体的に配置したもののことです。
このマーカーを目印に、3DCGで作られたものを、動いている物体(この場合笑ってるスタッフ)にあわせていきます。
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●アクション合成テスト
実写で撮った人物と、CGキャラクターとが格闘するシーンを想定したテストです。CGキャラクターの代わりの人がいたほうがいいのか、CGキャラクターがいるものと仮定して空舞台で撮影するのがいいのか……。
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グリーンのも○もじ君がこのようにCGキャラクターに置き換わります。
●変身テスト
「デビルマン」といえば変身。原作でもアニメでもここぞという見せ場です。今回の映画「デビルマン」でも変身シーンは大きなファクターとなることが予想されました。
その仕上がりは劇場の大スクリーンでお楽しみいただくとして、ここではテスト映像の一部のみを。
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ちなみにテスト当初のデビルマンはこんな感じでした。衣谷遊氏の漫画「AMON」からイメージをいただきました。
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●アニメ表現テスト
我々東映アニメーションはアニメ屋が本業。そのアニメ屋が実写にチャレンジするわけですから、そこには日本伝統のセルアニメーションのノウハウが反映されていなくては、つまらない。そんな思いもあって、いろいろなアニメ的手法にチャレンジしてみました。
アクションシーンを原画で描いて、CGキャラクターにトレースさせたりとか
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こんな様々な試行錯誤の中から、今回の映画の大きなポイント「T-VISUAL」の原型が生まれていったのです。
●オマケ
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ちょと寂しげなデビルマン
アニメ版のエンディングを意識して作ってみました。
これも「T-VISUAL」のタマゴの一つ?
【 東映アニメ 田中将史 】
2004 09 10 [That's T-VISUAL] | 固定リンク | トラックバック
「デビルマン」CGパートこぼればなし第一回
みなさん、こんにちは。
映画「デビルマン」でCGパートのプロダクションマネージャーというお仕事をしております、田中と申します。
これからしばらくの間、映画「デビルマン」の、主にCGパートの舞台裏やこぼれ話などを書いていけたらと思います。
映画公開まであとわずか。待ちきれない皆さんに少しでも楽しんでいただけたらと思います。
さて、映画「デビルマン」では、CG(コンピュータ・グラフィックス)が重要な役割を担っています。
CG。ハリウッド製某恐竜映画で大きくフューチャーされたそれは、いまや映画、テレビ、CMをはじめ、あらゆる映像作品にとってなくてはならない表現手段になっています。でもCGって実際なんなんでしょ?
大画面をところ狭しと暴れまわる恐竜もCGならば、飛んできてピカーンと光るタイトルロゴもCG。でもそれだけがCGじゃないんです。
たとえば時代劇。カッカッカッと笑う黄○様の後ろを飛行機雲が、とか、暴れん坊な将軍様がお馬に乗って走る背後の森に電信柱が、とか現代の日本でロケをするといろんな余計なものが映ってしまいます。
それらを消すのもCGのお仕事。
より正確にはCGというよりこういうデジタル処理全般をデジタルエフェクトと呼びます。
要はコンピュータを使って映像を処理することを指します。
映画「デビルマン」ではこれらデジタルエフェクトを加えたカットが300カット以上あります。
映画全体が1300カット弱あるので、1/4近くのカットになんらかのデジタルエフェクトが加えられているという勘定になります。
「デビルマン」という現実には存在しないものを登場させるわけですから、どうしてもそれくらいのカット数にはなってしまいます。
「デビルマン」のCG制作は、なによりこの膨大なカット数との戦いでした。
なにしろ300カット以上もあるわけですから、1カットくらいデビルマンじゃなくてマジンガーが映ってても不思議じゃありません。←不思議です。
さて、映画「デビルマン」のCG制作は、まず主役のデビルマンをどのように作り上げるか、から始まりました。
人間と悪魔が合体した、2m以上もの巨人。
これはもうCGなしではありえないキャラクターです。
しかしこれまで日本映画で、3DCGによるキャラクターを主役にすえた作品はほとんどありませんでした。
この大きな課題に挑むにあたって、まず我々スタッフはゲームやアニメのデザイン画で有名な寺田克也氏にコンセプトデザインを依頼しました。
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原作をベースに、いかに現実の世界に登場してもリアルな存在感を持ったキャラクターになるか。また、なによりそれは悪魔の持つ恐ろしさと、人の持つ悲しさを感じさせるものでなくてはなりません。
寺田氏のデザインは我々スタッフを刺激するに充分な、素晴らしいものでした。
この、寺田氏のコンセプトデザインをもとに、漫画「AMON」を描かれている漫画家の衣谷遊氏にもっと詳細なデザインに詰めていただきました。
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衣谷氏のデザインも、寺田氏の意匠を具体化し、より立体化を意識した素晴らしいものでした。この衣谷氏のデザインをもとに、我々CGスタッフがデビルマンを3Dモデルに起こしていったのです。
衣谷氏のデザインでは、デビルマンは人間の肌色をした、より人間的なデザインでした。
しかし、それをCGにしたときに、肌の質感が問題になりました。
人間の肌というやつは実に微妙なもので、しかも誰もが毎日目の当たりにしているものなだけに、なかなかCGでは表現しずらいものなのです。
そこではたと思いついたのが、かつてのアニメ版「デビルマン」でした。あのデザインをもとに肌を緑色にして、さらに胸の部分に傷跡をつけました。
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この緑色の肌と傷跡とで、クリーチャーっぽさを演出し、デーモンの戦士たるアモンのイメージを強調してみたわけです。
こんなふうにしてできあがったデビルマンのモデルですが、実際には映画完成までにちょこちょことディテールアップしてたりしていて、映画制作の間にも進化を続けていたのでした。
その進化の最終形は、是非劇場の大スクリーンでご確認ください。
と、きれいに話がまとまったところで次回に続きます。
【 東映アニメ 田中将史 】
2004 08 31 [That's T-VISUAL] | 固定リンク | トラックバック



